PCネットワークサポートブログ
2025.02.04
SDGsのG
これは大先輩の17番さんが休暇を取っているときの事。
我々CEメンバーのグループLINEに修理依頼が入ってきました。
内容は17番さんの担当しているお客様で、「昨日複合機の汚れが付くので見てもらったが、今度は黒い線が入る。」との事でした。
CEのグループLINE内では、禁忌とされている空間黙秘魔法・キドクスルーが発動されていたので、たまたま魔法耐性のある私が対応する旨を伝えて、お客様に連絡を入れました。
お客様が言うには、モノクロ印刷の時だけ症状が出る。カラーでは出ない。と言っていたので、
あの部品とあの部品が怪しいかな?パーツは持っていないけど、今いる場所から近いから、とりあえず現状確認させてくださいと、現場に向かう事にしました。
現場に到着して、詳しく話を聞きました。
「昨日も同じ症状で17番さんが直してくれたんだけど、また同じ症状が出たんです。」と印刷された現物を拝見しました。
黒い線というか、習字の筆で書きなぞったような芸術作品がそこにはありました。
試しに私が印刷すると、同じように美術品が完成しました。
しかしよく見ると、一定間隔で模様が繰り返されています。
その間隔を定規で測ると、4.4cmでした。
コピー機の内部は筒状のローラーが数多くあり、それらを駆使して画像を印刷します。
このお客様がお使い頂いているコピー機で外周が4.4cmとなれば、対象のパーツは一つしかありません。
どれが悪さをしているか割り出すことができたので、中を開けて問題のパーツを取り出して確認しました。
ここまでわかったら、これはもう直ったも同然!余裕っすわ!
と、意気揚々とパーツを眺めます。すると、対象のローラー部分に何かの汁がカピカピに乾燥したようなものがこびりついていました。
爪でカリカリすると剥がれていきます。
なんだろ、これは?でもこれを剥がしていけば直るんじゃなかろうか?
ローラーをちょっとずつクルクルと回転させながら、カピカピを剥がしていくと、潰れた黒い何かが見えてきました。
カリカリしている指の動きが一瞬で止まります。脊髄反射です。
見覚えのある黒光りする頭の形。そこから伸びる長い触覚。棘のある独特の足。どれを取ってもヤツを連想してしまう。
全身の細胞が一斉に警報を鳴らしています。
こ、こいつは…人類の敵だッ!!
ってことは…やばい!!このカピカピはッ…このカピカピはぁぁぁああ!!まさかぁぁあ!!
私の右指から手首、ひじ、肩へとゾワゾワが上ってきます
私はすでに17番の術中にハマっていたのです。
血ヘドを吐きながら、頭をよぎるのはこのまま作業を続行するか否か。
たぶんこのGを取り除き永代供養すれば、お客様の言う症状は収まるかもしれない。
しかし、もしも症状が変わらなければ、私も失うものが大きい。でかすぎる!!すでに右腕は持っていかれている。
おお、神よ!なんて試練をお与えになるのか!
私は神を恨みました。
SDGsが叫ばれる世の中で、無闇にパーツ交換をして良いものか。
しかし触りたくない。なんならこのユニットにすら触れたくない!
究極の2択を迫られた時、私の口は勝手に動いていました。
「すぐパーツを持ってきます」
その後、パーツを交換して無事解決できました!
この右手は洗いません。この怨念が私の原動力になりますから。
その時のお客様、修理完了を長引かせてしまい申し訳ございませんでした。
そして17番さん、夜道の背後にお気を付けください。