PCネットワークサポートブログ
2022.04.22
美しい花には棘がある
先日、とあるお客様のコピー機の引っ越しがありました。
お客様の都合でコピー機を一旦ベンハウスでお預かりして、数日後に別の場所へ納品するという形でした。
お預かりのためベンハウスへやってきたコピー機は、10年程前の古いタイプのコピー機でしたが、ほとんど使用されておらずとても美品でした。
特に現状の不具合も聞いていなかったため、私はギリギリまで放置していました。
これが悪夢への入り口です。
そして引っ越しの前日。コピー機の運搬は業者に依頼していたので、この日は運送業者がコピー機を引き取りに来る予定でした。
しかし私はそのことをすっかり忘れて、お客様先でコピー機の定期点検をしていたのです。
ところが神のお告げか、ふと第六感が働きます。
「・・・ヤバッッ!!今日コピー機持っていく日だ!整備も何もしていない!」
奇跡的に思い出した私は急いで事務所へ戻ります。
・・・あっぶね~、まだコピー機は事務所にありました。
さぁ、整備を開始します。トラックが近くを通り過ぎる度、運送業者が来たかとビクビクしました。
もともと綺麗で汚れの無いコピー機でしたが、軽く外装を磨考きます。
そして念のため動作確認をしようと思い、電源をいれました。
ピーピーピーと音が鳴り、エラー表示が出ています。見ると部品が悪くなっている様でした。見た目は問題無さそうですが、10年も経てばエラーも出るようです。幸い事務所にその部品があったので交換しました。
再度スイッチを入れます。今度は問題なく動きました。大丈夫と思うけど、とりあえずテストコピー。
しかし出てきた画像はどう見ても正解ではない。
「うわ~、マジか。まだ業者さん来るなよ~。」
そう思い部品をあれこれ外して中を確認。とりあえず中も部品もみんなキレイ。しかし時間が無いので、原因究明をせずにとりあえず考えられる部品を交換します。
お願いだから直ってください!祈りながら電源ON!
ピーピーピーと音が鳴り、再度エラー表示。しかも今度はかなりクレイジーな部品交換が必要です。普通に交換すれば1時間近くかかります。
幸か不幸か、在庫置き場にラス1その部品がありました。
「大丈夫!まだ間に合う、たぶん!」そう強く心に思い込み作業開始。
息を切らしながらバラシていき、ようやく目的の部品までたどり着きました。
それではいざ交換!ビス2本を外して、バネを外して、ようやくクレイジー野郎が取れました!
続いて新しい部品を取り付けます。ビス2本で固定して、バネを引っ掛けて・・・バキン!!
大きな音と共に、取り付けたばかりの部品と私の心が破損してしまいました。
壊れやすい部品でもないはずなのに、ここで壊れるとは・・・新品になった所で、やはりこいつはクレイジー野郎でした。
崩れ落ちた私は久しぶりに両手と両膝を地につけました。ハイハイ以来です。
もはや目の焦点も合っておらず、よだれを垂らしながら私は、コピー機は諦めて今ある部品でタイムマシンを作り、数日前に戻る方法を数秒だけ考えました。
ナイスなアイディアでした。さっそく行動に移そうと思った時、それを見ていた先輩が「破損した部分だけ元々付いていたヤツと移植したらいけるんちゃう?」とアドバイスをくれました。
たしかに、部分移植ができそうです。
ものすごいスピードで移植して、パパっと組み上げました。
もう何も起こらないでくれ・・・そう思いながら、電源ON!
エラーは出ていません。後は画像が普通に出るか・・・テストコピー開始。
出てきた画像はやっぱりおかしい。というか、紙自体がものすごい波打っている。
「んもう!なんなのコイツ!!」すでに作業開始から数時間経っています。
再度部品を外し、なんやかんやでもう一度テストコピー。
用紙の波は直りましたが、やっぱり画像がおかしい。
何かの間違いだと思い、もう一度テストコピー。
やっぱりおかしい。絶対何かの間違いだと思い、再度コピー。
なんと今度はキレイな画像が出てくれました。おぉ、神よ!!
念には念を入れてあと10枚テスト。
全て正常な画像が出てくれました。
よし、終わり!もうそっとしておこう!何度か変な画像はありましたが、その記憶は深層心理の奥深くへ閉じ込めて、他言せず墓場まで持っていくと心に決めました。
何とか運送業者が来る前に作業も終わり、私は燃え尽きました。
そして翌日、引っ越し先で電源を入れました。ソッコーでエラー表示。原因は例のクレイジー野郎です。その後も何度も足を運び修理を続けましたが、次から次へとトラブルが続きます。
結局、使い物にならないので、別のコピー機と入れ替えをして丸く収まりました。
後回しにしていると、痛い目をみるという教訓です。
そして何より、外見の美しさに惑わされてはいけません。結局は中身です。機械も人も。