PCネットワークサポートブログ

2024.03.21

桃鉄

今月の私は運気が下り坂です。
気づいたら大事に取っていたサイコロを3つ振れる特急カードを失っていました。所持しているのは厄災をもたらすデビルカードのみ。
振り返ると私の後ろにはやはりキングボンビーが取り憑いていました。
早く誰かにこのキングボンビーをなすりつけないと…。18番さん辺りにでも……
 

と考えていたそんなある日、SE部隊の15番さんから忙しいので代わりにPCサポートに行ってくれませんか?と依頼が来ました。私が一度も訪問したことのないお客様でした。

内容はPCからのプリント出力ができないとの事。
 
その内容ならこのスーパーエリートの私でも簡単に解決できそうだ。

二つ返事で了解しました。
ただ一つ注意点として、そのお客様はお年を召しており、耳が遠いので大きな声を出さないと伝わらないとの事。
そのお客様は弊社のPCヘルプデスクリモートサービス(電話やPC遠隔操作を使い、PCについて指南してくれるサポート)に加入されているお客様なのですが、
電話サポートの声を聞き取れなくて、にっちもさっちもいかなくなり、有償で良いから来てほしいという経緯だそうです。
事前に電話で到着予定時刻をお伝えしてほしいのだが、電話越しでも相当大声を出さないと伝わらないので生半可な覚悟でしゃべるな!とアドバイスをくれました。
 
しかし清純派の私。大声にはいささか自信がありません。

急に大きな声を出して、声が裏返ったりしないだろうか。。。いらぬ心配で緊張してきます。
念のため発声練習をします。「ボエ~~~↓…ホゲ~~~→…ボゲ~~~↑…」
控えめに言ってもマーメイドの歌声でした。船乗りたちの心を鷲づかみにしてしまいそうです。
人通りの少ない空き地に車を止めて、意を決して電話をかけてみました。
手始めに2割増しの声量で「お世話になっております、ベンハウスの19です!」
と伝えると、「ずっと待っている、はよきてな。」
 
普通に会話ができました。

別に気構えることはなっかた。やはり私はマーメイド。鼓膜ではなく魂を震わす声でした。
とにかくこれから急いでお伺いする旨を伝えて、現場へ急行します。
ここでサイコロを3つ振れる特急カードを使いたかったのですが、キングボンビーに捨てられている事を思い出しました。
 


数十分後現場へ到着すると、お客様に事務所内へ通されて詳しく現状を聞きました。

ここは他社さんの複合機を使用しており、『廃トナー容器がいっぱいです』のエラーメッセージが出ていたので、先ほど廃トナー容器を入れ替えたが、やっぱりプリントできないとの事。
我々の業界では、他社さんの複合機を勝手に触ってはいけないという、暗黙のルール・鉄の掟があります。
PC側の問題と思っていたら、コピー機側の問題か?コピー機だったらベンハウスでは触れないけどなぁ…。と思っていると、お客様が「これを交換したんや。」と言いながら、複合機の前カバーを開けました。
 
すると廃トナー容器がしっかりセットされておらず、容器が外れて落下してしまいました。

落下の衝撃で廃トナーの中身が散乱してしまい、辺りはトナーまみれ。
(あちゃ~、やっちゃった。印刷できないのも廃トナー容器のセットミスが原因じゃないか?)と思っていると
「あ~あ。粉まみれや。これちゃんと掃除してな。」と、お客様。
「え……あ、はい。」(え?わし!?)と驚きを隠しつつも、外装をフキフキするくらいなら大丈夫か?これを解消しないと現状確認もできないし。他社さんもこれくらいなら……と、ムリヤリ正当化しました。
 
数分かけて、他社様の複合機の外装を拭きあげました。

「ここの隅も汚れとるで。」と何度もダメ出しを受けながら、ちょうど掃除が終わりそうな頃に「こんにちは!!」と誰かが入ってきました。どこかの配達の兄ちゃんか?
と思って私が目をやると、作業着姿の他社さん登場。
他社さんのコピー機を拭きあげている私。
 
お互いピックっと動きが止まります。


(ぃやべぇぇぇぇぇぇぇ!!ここでデビルカードの発動だぁ!まだ右手の雑巾で他社さんのカバーを磨き上げている!言い訳できねぇぇ!)
冷や汗ダラダラ、開いた口がふさがりません。


「他社さんにも連絡しとったんや」と涼しい顔でお客様。

「もももも申し訳ありません、こうこうこういう理由で、廃トナー容器が……」と私は必死に弁明。
「で、廃トナー容器を正しくセットすればコピー機も動いて、出力できるんじゃないかと…。」と他社さんへ伝えると、
「私はコピーはできていると聞いています。なので、PC側ではないですか?」と他社さん。
「…というか、ごめんなさい。私がやりますよ。」と私に代わって他社さんがコピー機の掃除を代わってくれました。とても良い人でした。
「コピーができるという事は、やっぱりPC側。PING飛ばしてみましょうか?ドライバーかもしれませんね。」と
いつの間にか二人で相談し、問題解決に向けて協力していました。
ライバル業者さんと夢のコラボレーション
 


結果大した原因ではなかったのですが無事復旧して、お客様にはベンハウスのPC駆け付けサポートへ加入して頂く事となりました。

いろいろありましたが、ベンハウス・他社さんのドリームタッグが実現して、我々は熱い絆のもとにお互いの岐路へ旅立ちました。
小さな友情!清々しい気分です!
 
そして振り返ると、私のキングボンビーはいなくなっていました。

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