PCネットワークサポートブログ
2024.04.26
ぶんぶんハローユーチューブ
最近ようやく暖かくなってきました。
桜も終わり、草むらでは虫どもが動き始めています。
この時期になると思い出す事があります。
ちょうど昨年の今頃、自宅から会社に向かって車を運転していました。
駐車場に着き、エンジンを切るとどこからともなく「ぶーーーーーーーん」と聞こえてきます。
車内に虫でもいるのか?と思い、辺りを見渡しても何もいません。
なんだ、気のせいか。と私は気に留める事なく出社しました。
朝礼を終えて、事務所で朝の支度をしてから、朝一にアポ取りしていたお客様先へ出向きます。
ベンハウス号に乗り込み、颯爽と出発しましたが赤信号につかまりました。
周りには車もたくさん走っています。自分の車のエンジン音も聞こえています。その音たちに紛れて、かすかに聞こえる。
「ぶーーーーーーん」
ハッ!!としました。まさかこの車に虫がいる?!しかし耳を澄ませると音は一切しなくなりました。
耳鳴りか…。疲れているのか…。
とりあえず1件目作業が終わりました。
次の現場に向かいます。そこでもすんなり作業終了。次の現場は昼休憩の時間に来てくれとの事でした。
12時ちょっと前にお客様の駐車場に到着します。駐車場の隣では工事をしており、騒音が響いています。
ダダダダダ!ガンガンガンガン!ガガガガガ!と、コンクリでも掘削しているのかかなりうるさい。
さっさと終わらせて昼休憩にしようと、車を降りようとした瞬間微かに聞こえました。
「ぶーーーーーーん」
…ん?工事の音でぶーーーーーんって鳴る機械あったっけ?
息を殺して耳を澄まします。
「ぶーーん、ぶーーーーん」
いる!ヒ〇キンがいる!
周囲を見渡しますが何もいません。車のシートをバンバン叩いて炙り出そうとしますが何も反応がありません。
車を降りて後部座席を覗きますが特に見当たりませんでした。しかし「ぶーーーーーん」と音は鳴り続けています。
この車からだよな?もう一度運転席に座りドアを閉めて耳を澄ませます。
工事の騒音は相変わらずうるさい。しかし車内にいるので騒音は籠って聞こえます。籠った音とは別の時々聞こえる鮮明な「ぶーーーーーん」
確信しました。絶対この車にいる。見つけてやる!時計は11時58分。あと2分でカタをつける!
私は座席に座りハンドルに額を押し付けて、目を閉じ意識を一点に集中しました。凄まじい集中力です。工事現場の騒音はもはや聞こえません。真っ暗の中、聞こえるのは心臓の脈打つ音と、耳障りな「ぶーーーーーん」。
さらに深く潜ります。音は完全に消え、光もありません。無です。暗闇の中、一点だけ青白い光がポッと浮かんだ気がしました。
…右側前方、運転席のドア!!
私は目を見開きすぐに確認をします。ドアポケットの中や周辺にはいない。ドアを開けて外に出ます。
ドアに耳を押し当てると、「ぶーーーーーん」と聞こえます。ドアの内側や外側をバシバシ叩いて、再度ドアに耳を押し当てます。
「ぶーーーん、ぶーーーーーん」
まさかドアの窓ガラスが収納される僅かなスペースに入り込んでいる??
一度窓を全開にして、ガラス窓が収納された隙間を覗き込んだけど、全く見えない。
これでは手の出しようがありません。助けようにも助けられない。申し訳ないけど、ご愁傷様です。と手を合わせて、時計を見ると12時を超えています。
やべーやべーと急いでお客様の事務所へ入りました。
お客様は全員休憩のため、事務所には私一人。黙々と修理作業をしていました。
無事修理は終わり、最後に作業レポートを書いていると、どこからともなく「ぶーーーーーん」と聞こえてきます。
ハッ!としました。ここまでくると恐怖です。どういう事!?まさか工具カバンの中…
私は狂ったように工具カバンをひっくり返してみましたが、やはり何もいません。
……ってことは服の中!? 私は自分の体中をバシバシ叩きました。
その時、チクッと右足の膝の裏辺りに痛みが走ります。
痛ッ!と反射的に手を当てると、膝裏に何かいます。ズボンの布越しに何かをつまんでいます。
ふぎゃぁぁぁぁぁぁ! 気が気ではありません。私は白目になりながらズボンの裾をバタバタして踊り狂いました。
するとズボンの裾から、穴蜂が「ぶーーーーーーん」と天井の方へ飛んで行くのが見えました。春先によく公園などの砂場を低空飛行している黒いアレです。
どうやら自宅からずっと行動を共にしていたようです。
静かな事務所の天井から「ぶーーーーーん」と微かに音はしますが、姿は見えません。
膝裏のヒリヒリをさすりながら、親友との別れを惜しみました。
あれからしばらく経ちますが、まだあの事務所で元気にやっているのでしょうか。
あの事務所から蜂騒動の噂は聞かないので、私が放った事はばれていないと思いたいです。
もう時効なのでここに懺悔します。アーメン。