PCネットワークサポートブログ
2024.08.28
聴牌
盆明けからやたらと修理依頼が多くて、忙しい日々を過ごしております。
そんな中、とある修理が飛び込んできました。
プロ向け仕様で高速高画質の大きな複合機の修理依頼です。
この機種は機体が大きい分メンテナンスも大変で、パーツを一つ交換するのも結構分解しないといけないし、ユニットの一つ一つがデカいし何かと苦労が多いです。また、この機種は私の担当している地区に2台しかありません。ベンハウス全体で見ても、他の機種に比べると台数が圧倒的に少ないので、修理依頼が来るたびに頭を抱える事が多いです。
そんな中飛び込んできた、この難関。
さらに追い打ちをかける様に、そのお客様先は電波が届きません。
ヘルプデスクに助けを求める事も、事例集を検索する事もできません。
現場へ持っていけるのは経験を積んだ己の体のみです。
私は自分を信じて現場へ行きました。現地で話を聞くと、両面印刷時ほぼほぼ紙が詰まるという現象らしい。
試しに印刷をかけると、確かに紙が詰まります。
何か引っかかりがないか、紙の通り道をくまなく探しましたが特に怪しい所はありません。
紙を送るローラーはちゃんと回っているか、手でクルクル回しましたが特に問題はありません。
次にセンサーのチェック。一つ一つ確認しましたが特に異常はありません。
今度は紙の通り道の清掃を試みます。
しかし現象は変わりませんでした。
いよいよわからん。テンパった私はヘルプデスクに助けを求めます。
『・・・・・』無音。
あ、電波無いんだった。
今度は入念にローラーの清掃をします。
しかし現象は変わりませんでした。
紙が詰まる辺りを何度も覗き込みます。
意味なくユニットの出し入れをしてみます。
しかし現象は変わりませんでした。
ひええええぇ!!追い詰められた私は気が動転しはじめます。
こうなりゃ紙が詰まってる辺りを分解するか!?何か糸口が見つかるかもしれん!
でもどこ外せば分解できるんだ??
そうだ、CANONのサイトからマニュアルで調べよう。
あ、電波無いんだった。
なぜかこのピンチの状況で、私は一つの疑問に直面しました。
私は先日テレビで双子同士のカップルがそれぞれ結婚したという番組を思い出しました。
その場合、それぞれ生まれてくる子供たちもやっぱり双子のように似ているのだろうか?
…うーーーん。
現実逃避の前兆です。しばらく考え込んで、ハッと我に返ります。
いかんいかん。
うつろな目で、また意味なくユニットの出し入れをしてみます。しかしここで一つ不自然な点を発見しました。
ユニットを引き出した時に、奥の方でこんもりと鉄粉のようなものが山の様に盛られていました。
ムムムッ!!これは何かが削れた跡!この鉄粉の跡をたどっていきます。
この軸があーなって…、こーなって…ここに繋がって…。
このカップリングが……お!!!このカップリング、動きが重い気がする。たぶんこれかな?
正直、正常な動きが分からないからまだ半信半疑でしたが、お客様に大体の原因は分かった事を告げて、現場を後にしました。
急いで私の地区に2台ある内のもう一台の方のお客様へ連絡します。
『複合機の点検へお伺いしてもよろしいでしょうか?』
『いつでもどーぞ。』という事で、急いでカップリングの動きの確認を兼ねて点検へ行きます。
現場へ着くと、まずは両面印刷の動作確認。問題なく出力されました。
問題のカップリングの動きを確認します。
やっぱり軽い。先ほどの動きと全然違う。山盛りの鉄粉も無い。
私の読みは正しかった。
すぐに私はパーツを発注しました。しかしこのパーツ、軸が付いており、軸が奥まで伸びてコピー機を貫通している様に見えます。
さらにこのパーツの交換手順のマニュアルがどこを探しても見つかりません。
パーツが届いても、無事交換できるのでしょうか。
不安で夜も眠れません。